はじめに
工場ラインを監督する 55 歳男性。安全靴で 8 時間以上立ちっぱなし・階段昇降も多い勤務形態です。
3 か月前から膝の内側が刺すように痛み、湿布とサポーターで何とか勤務を継続。しかし腫れは増し、帰宅後は正座も困難になりました。「体重も増え、運動を控えるほど悪循環に入っている」とのことでした。
1. 患者さんの悩みと症状
- 立ち仕事 8 時間で膝内側がズキズキ
- 階段昇降でビリッと痛みが走る
- 湿布とサポーターで 3 か月しのぐが悪化傾向
- 体重 +5 kg 増でさらに負担増
鵞足炎(がそくえん)は、踵が外倒れ → 足が内側へ落ち → 膝がねじれる “過回内連鎖” が主因です。
2. 初回カウンセリングでわかったこと

| チェック項目 | 結果 | 意味すること |
|---|---|---|
| 後足部アライメント | 外反 5° | 着地で内側へねじれる |
| 足底圧分布 | 土踏まず内側ピーク | 鵞足部に荷重集中 |
| 体幹アライメント | 骨盤前傾・腹圧低下 | 大腿骨が内旋しやすい |
| 使用靴 | 2 年使用の安全スニーカー | ミッドソール硬化・衝撃吸収不足 |
要するに「踵外倒れ → 足内側落ち → 膝ねじれ」の連鎖が痛みの根源でした。
3. 提案した装具(石膏採型インソール)
- 内側アーチサポート+踵内側ポスティング 5 mm
- 前足部外側ウェッジ 2 mm
- 高反発 EVA+衝撃吸収 PU トップカバー 2 mm
4. 装着後の変化と経過
| 時期 | 痛みスコア* | 変化 |
|---|---|---|
| 装着前 | 8 | — |
| 装着直後 | 5 | 立ち作業がラク |
| 2 週 | 3 | 階段往復 20 回でも腫れ軽減 |
| 6 週 | 1 | フルシフト後も違和感程度 |
| 3 か月 | 0–1 | ウォーキング再開、体重 −2 kg |
*0=痛みなし、10=耐え難い痛み
5. この事例からわかること
- 鵞足炎は膝よりも足元矯正が先決
- 男性は体重と安全靴の硬さで衝撃が大きく、クッション追加が必須
- インソール+骨盤リセット体操で再発リスクを低減
6. FAQ(抜粋)
- Q. 仕事靴でも入る? → 厚さ 3 mm 仕様で安全スニーカーに適合
- Q. 効果はいつ頃? → 4〜6 週でフルシフト復帰が目安
おわりに
「立ち仕事=膝痛は仕方ない」と諦めず、足元のねじれを矯正するインソールで大幅な負担軽減が期待できます。
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